在りし日の歌 中原中也詩集 中原中也著 佐々木幹郎編
「在りし日の歌 中原中也詩集」中原中也著 佐々木幹郎編 文庫本 角川文庫クラシックス 1997 初版 252頁 状態:A(美本)
<梗概・引用>
処女詩集『山羊の歌』刊行の二ヶ月前、長男文也が誕生。中原中也は詩作・翻訳に旺盛な活動を続ける。しかし、それは蝋燭の炎が燃え尽きる寸前の輝きに似ていた。彼の詩は徐々にこの世では聞こえない音を浮かび上がらせるようになる。そして、文也の突然の死。不幸は宿命のように彼の上に舞い降りた……。本書には「亡き児文也の霊に捧ぐ」という言葉とともに、中原中也が最後に編集した詩集「在りし日の歌」全編と、同時期の代表作を精選。詩人最晩年の活動のすべてを示す。
<店主・コメント>
詩は見た目には僅かな量の文字で構成されていますが、一篇の詩が時に一冊の小説よりも多くのことを謳い上げることがあります。中原中也の言葉は正にその典型で、短い詩句の中にはその場の情景や、人間の情感、生きる上で避けては通ることの出来ない物事の寂寞さ、やりきれなさが詰め込まれていて、彼はそれを軽々と謳い上げてしまいます。おすすめの詩は『冬の夜』と『月夜の浜辺』です。中原中也の沁み入るような詩の世界をお楽しみください。※尚、こちらのカバーのものは絶版しておりますので、希少本の為、この価格での販売となります。