モーツァルトの手紙 その生涯のロマン 上下巻セット 柴田治三郎編訳 (文庫本)
「モーツァルトの手紙 その生涯のロマン」上下巻セット 柴田治三郎編訳 岩波文庫(1980) ・上巻 289頁 重版 ・下巻 249頁 重版 状態:C(並下 小口に強いヤケあり。本文良好)
<梗概・引用>
モーツァルト(1756-91)の手紙には深遠な芸術論や人生に関する哲学的な省察が述べられているわけではない。その大部分は身辺雑事の報告である。少年時代から死の直前までを年代順に配列した214通は、天才芸術家もまたわれわれと同じ弱さを持った人間だったことを語る。だから却ってその音楽はいっそう懐かしくまた崇高に響いてくる。
<店主・コメント>
天才作曲家・モーツァルトの人間性にスポットを当てる書簡集。初めの家族に宛てた手紙は、天真爛漫で甘えたがりの幼いモーツァルトが垣間見えて思わずくすりと笑いたくなります。やっぱりこういうところはいくら神童とはいえ、私たちと同じように子供の面を持っていたのだろうなという想像が膨らみます。いくらか大人になってくると、演奏しているバイオリンの演奏が下手だから自分が演奏して拍手喝采を浴びたなどの、天才の一面が姿を現し、一方で母の死を嘆く書簡では、まだ死を知らない父に対して気遣う一面も認められます。人間って分からないものだなあということを、この手紙から感じます。