悪と仮面のルール 中村文則著 (文庫本)
「悪と仮面のルール」中村文則著 講談社文庫(2013) 初版 394頁 状態:A(美本)
<裏書き・引用>
邪の家系を断ち切り、少女を守るために。少年は父の殺害を決意する。大人になった彼は、顔を変え、他人の身分を手に入れて、再び動き出す。すべては彼女の幸せだけを願って。同じ頃街ではテロ組織による連続殺人事件が発生していた。そして彼の前に過去の事件を追う刑事が現れる。本質的な悪、その連鎖とは。
<店主・コメント>
ウォール・ストリート・ジャーナル紙の2013年ベストミステリーの10作品に選ばれた著者渾身のサスペンス小説。中村文則全作品中、完成度の高さは群を抜いており、一、二を争うほど。『銃』にはじまり、『掏摸』、『王国』とクライムサスペンスを描く中で彼が執拗にもこだわり続けた悪に対する描写がこの本の中で結実しています。呪われた家系の掟を背負った少年が、自らの血の枷を外す為に選び取った道は――。