壁 安部公房著 (文庫本)

¥ 250

「壁」安部公房著 新潮文庫(1988改版) 文庫本 重版 265頁 状態:B(並)

 <裏書き・引用>
 ある朝、突然名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障をきたし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った芥川賞受賞の野心作。

 <店主・コメント>
 何度読んでも分からない本というものが世の中には存在します。私にとって安部公房の作品は正にそれでした。中学の教科書に載っていた『赤い繭』を初めて読んだ時、意味が理解できずに何度もそこだけを読み返していたように思います。国語の先生が、「この『赤い繭』とはどういったことを表していると思う?」という意味の質問をし、聞かれた時に答えられずに俯いてしまった記憶があります。いまでも上手く答える自信がありません。大人になって、答えるとすれば、世の中のどこにも居場所を見つけられない主人公「おれ」の自我が糸のように解けて、織り上げたもうひとつの自我、と答えるでしょうか。繭だから、内側に殻のように閉じた精神を表し、それを造り上げることで身を守っている。しかし、何故赤いのかと問われると答えに窮します。赤で思い浮かぶのは血ですが、そうなると「おれ」の自我を自殺させたことを暗示しているのではないか、とも思いますが、本当のことは誰にも分からない。言葉の奥に潜んだ謎を解くのも探偵気分で面白いかもしれません。言葉の謎は、トリックや仕掛けのあるものとは違い、正しい正解もなく、永久に解くことが出来ないのですから。 

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    丁寧な梱包と対応で、ショップオーナーの人柄が滲み出るここちよい買い物ができました。ショップの商品リストが更新されるたびに、購買欲が湧いてきます。また、利用させていただきます。ありがとうございました。

    この度は、古書店『一馬書房』にて商品をご購入くださり、誠にありがとうございます。お届けしました本が無事、お客様のお手元に届きましたようで安心しました。レビューを頂いて大変励みになります。一日一冊、新商品をアップしていくことを目標としておりますので、またいつでもいらしてください。(店主)

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