『変身物語（上・下）』オウィディウス著　中村善也訳　文庫本　岩波文庫　
・上巻　1981刊　重版　366頁　定価550円　状態：B（並　カバーにシミ、シワあり）
・下巻　1984刊　重版　371頁　定価550円　状態：B（並　波打ち、ヤケあり）

　＜上巻・梗概＞
　古代ローマの天成の詩人オウィディウス（前48-後18）が、ストーリーテラーとしての手腕を存分に発揮したこの作品には、「ナルキッソスとエコー」など変身を主要モチーフとする物語が大小あわせて250もふくまれている。さながらそれはギリシア・ローマの神話と伝説の一大集成である。ラテン語原点の語り口をみごとに移しえた散文訳。

　＜下巻・梗概＞
　もの音ひとつしない静寂のなか、おぼろな靄に包まれた、険しい、暗い坂を、ふたりはたどっていた。もう地表に近付いているあたりだったが、妻の力が尽きはしないかと、オルペウスは心配になった。そうなると、無性に見たくなる。愛がそうさせたということになるが、とうとう、うしろを振りかえった。と、たちまち……（「オルペウスとエウリディケ」から）

　＜店主ひとこと＞
　全ての物語、モチーフの源流であるギリシャ・ローマ神話の世界へ、この本と一緒に旅立ってみませんか。有名なオルフェウスの物語も収録。『決して振り返ってはいけない』というシーンの描写は現代の物語にも多く見出すことが出来るかと思います。ユングが云うところの物語の『元型』がここにはあります。ファンタジーを描く物書きの方にも大変参考になる題材が揃っています。希少本の為、この価格での販売となります。