14歳からの哲学 考えるための教科書 池田晶子著
「14歳からの哲学 考えるための教科書」池田晶子著 単行本 トランスビュー 2003 重版 209頁 定価:1200円 状態:A(美本)
<帯文・引用>
人は14歳以後、一度は考えておかなければならないことがある。
<著者紹介>
池田晶子(1960-2007)
1960年生まれ。哲学者。文筆家。慶応大学文学部哲学科卒業。専門用語による「哲学」についての論ではなく、哲学するとはどういうことかを日常の言葉を用いて示し、多くの読者を得る。
<店主・コメント>
言葉は14歳にもわかるような平易な言葉で書かれていますが、語られる内容の深みは、14歳のそれを遙かに超えています。特に「言葉」の章に書かれてあることは小説を書く人間として考えておかなくてはならないことのように思えます。特に惹かれた言葉を引用して、作品のご紹介とさせて頂きます。
しょせんは言葉、現実じゃないよ、という言い方をする大人を決して信用しちゃいけません。そういう人は言葉よりも先に現実というものがある、そして、現実とは目に見える物のことである、とただ思い込んで、言葉こそが現実を作っているという本当のことを知らない人です。(本文より)
小説は、言葉でものを考えていくという点で哲学の分野と重なる部分が多くありますので、小説のバックボーンとしても哲学的な要素は必要であると思います。哲学の最初の基点としてこの本を強くおすすめします。難解な用語だけで説明することが哲学ではなく、言葉を使ってものを考えるということが哲学なのだということを、この本は体現しています。