国のない男 カート・ヴォネガット著 金原瑞人訳 (単行本)
「国のない男」カート・ヴォネガット著 金原瑞人訳 NHK出版(2007) 157頁 重版 状態:B(並 表紙に僅かなキズあり)
<帯文・引用>
これが最後の一冊にして、〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラー
まさにヴォネガット。どこを切っても、どこを読んでも、ヴォネガット。100パーセント、ヴォネガットだ。(金原瑞人)
さようなら、ヴォネガット
この本の全ての言葉を自分の頭にインプットしたいと思った。思わず吹き出したり、胸がつまったり、しばらく考えたり。二十歳の頃の若者のような、もう二度とできないと思っていた”震えるような読書”が再び出来て本当に幸せだった。私を嘘つきだと思っている人も、これだけは信じてほしい。(爆笑問題 太田光)
<店主・コメント>
ヴォネガットは最後までヴォネガットだった。読めば分かります。2007年に出版されたこの本が最後の遺作。享年84歳で生涯を閉じました。最後までヴォネガットはウィットに富んだ皮肉屋で、少しズレていて、でもだからこそ彼の文章は愛おしい。帯の太田さんのコメントは意外でしたが、コメディアンとして響く部分があったのではと思います。彼は笑いを好んだ作家でしたから。今でもカバー写真の向こうから、チャーミングな笑みを浮かべるヴォネガットが、問いかけてくるような気がします。『私がこの世から姿を消した後も、人々は笑っているか?』と。
唯一わたしがやりたかったのは、人々に笑いという救いを与えることだ。ユーモアには人の心を楽にする力がある。アスピリンのようなものだ。百年後、人類がまだ笑っていたら、わたしはきっとうれしいと思う。(カート・ヴォネガット)