死にたくなったら電話して 李龍徳(イ・ヨンドク)著 (単行本)
「死にたくなったら電話して」李龍徳著 河出書房新社(2014) 単行本 初版 249頁 状態:B(並 背面カバー上部に僅かな破れあり 帯付き 本文良好)
<帯・引用>
「死にたくなったら電話して下さい。いつでも。」
全選考委員大絶賛! 第51回文藝賞受賞作 人類なんて滅びてしまえ。彼女の悪意で、禁断の扉が開く。至福の「心中」小説。
<店主・コメント>
帯裏に選考委員各氏のコメントがあるので私のコメントの出る幕はありません。以下、引用。
なんという毒か。世界を拷問にかけるようなこの虚無と呪詛。拍手!(藤沢周氏)
すごい力量。これまでの日本文学とは異質の体力で書かれている、私はそこに大げさに言えば圧倒された。(保坂和志氏)
この小説の罠にすっかりはまった。呪術的な言葉の力によって封印を解かれた、「カウンター悪意」の恐怖と愉楽。初美が徳山を破滅に導いていく様は、世界を滅ぼす行為の象徴。その過程を言葉の力として見せるという挑戦は、まさしく文学が究極的に目指すところだと思う。安易な「希望」依存症を断ち切る力がこの小説にはある。本当の希望はその先にある。文句なしの受賞。(星野智幸氏)
一度、その世界に入り込んだら抜け出せない。十三版「失楽園」とでも言いたくなる、薄気味悪い物語に釘付けになってしまった。(山田詠美氏)