『草枕』夏目漱石著(文庫本)
『草枕』夏目漱石著(文庫本) 岩波文庫(緑10-4) 1990改版 重版 223頁 状態:B(古本として良好なコンディション。小口に経年ヤケ、背表紙裏にヨゴレあり。カバー・本文にヨゴレは見受けられず、通読に問題ありません。比較的、綺麗な印象のお品ものです)
<梗概>
「いやな奴」で埋まっている俗界を脱して非人情の世界に遊ぼうとする画工の物語。作者自身これを「閑文字」と評しているが果たしてそうか。主人公の行動や理論の悠長さとは裏腹にこれはどこを切っても漱石の熱い血が噴き出す体の作品なのだ。(解説・注=重松泰雄)
<店主ひとこと>
智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい――。漱石の著書で、最も有名な書き出しのひとつ。その続きの言葉を知っていますか。近代日本文学の源流のひとつである漱石の文学と、その芸術論は、遠く離れた現代日本のもの書きである私たちにも、無視できるものではありません。冒頭だけでも圧巻の、漱石一流の文章を、もう一度読み直してみるのはいかがでしょう。