『サリンジャーの世界(A STUDY OF J.D.SALINGER)』渥美昭夫・井上謙治編 (単行本)
『サリンジャーの世界(A STUDY OF J.D.SALINGER)』渥美昭夫・井上謙治編 (単行本) 荒地出版社 1976刊 重版 253頁 状態:B(並 古本として並のコンディションです。カバーにスレ、背表紙に経年ヤケ、小口に僅かなキズあり。本文・中身は大変綺麗な状態で、通読には全く問題ありません。)
<店主ひとこと>
1960年台から70年台にかけて荒地出版社より刊行された、サリンジャーの作品に対する論考をまとめた一冊。荒地出版社は、20世紀アメリカ文学を翻訳し、本邦に紹介したことで知られたかつての出版社であり、当時のサリンジャーの翻訳書籍や選集はここから生まれています。論考の内容としては、作家サリンジャーが生まれた当時のアメリカの時代背景の考察、『ライ麦畑』のホールデンをはじめ、グラス家の登場人物たちが語るところのものが何を表しているのか、サリンジャーが作品において静かに語りかける謎について、推察し、解き明かそうとする論文集になっています。今から四十年以上前の、サリンジャーが生きて執筆していた頃に作られたもので、その当時の空気感を理解する一助になるかと思います。サリンジャーを愛好するひとなら、一冊持って、損することはありません。