『文豪ナビ 太宰治』新潮文庫編 (文庫本)
『文豪ナビ 太宰治』新潮文庫編 文庫本 新潮文庫 2004刊 重版 定価:400円+税 159頁 状態:A(美本)
<梗概・引用>
時代を超えて常に若者たちから支持される太宰治。その「恥の多い生涯」は四度の自殺未遂に象徴されるように、道化と愚直を演じ分ける日々だった。だがファンはそこに自分を見出しほっとする。『走れメロス』で勇気、『人間失格』で絶望を書いた太宰の、純な心に共鳴するのだ。
<著者・略歴>
太宰治(Dazai Osamu 1909-1948)
青森県金木村(現・五所川原市金木町)生まれ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中を図り、ひとり助かる。1935年、「逆行」が第一回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、バビナール中毒に悩む。39年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富国百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を遺し、山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
「ああ、なぜ僕はすべてに断定をいそぐのだ。すべての思念にまとまりをつけなければ生きて行けない、そんな根性をいったい誰から教わった?」――『道化の華」(『晩年』より)